厚生労働省が発表した平成27年「産業・事業所規模、雇用期間の定めの有無別転職者がいる事業所割合」の調査によると、転職者がいる医療・福祉分野の事業所の割合は全産業のなかで3番目に多いという結果が出ました。医療者の転職は多く、薬剤師も例外ではありません。
では、薬剤師はどのような理由で転職するのでしょうか。転職を成功させるためのポイントもご紹介します。
薬剤師のおもな転職理由
薬剤師は、人間関係が理由で転職する方が多いようです。薬剤師が働く職場の一つである調剤薬局は、少人数で業務を行ないます。限定された人間関係となるため、相性の悪い人がいると、働くスペースの狭さも手伝ってストレスがたまりやすくなります。病院やドラッグストアでは、さまざまな立場の人と働く必要があり、お互いを理解できずに悩みを深めてしまうことがあります。
労働環境を理由に転職する薬剤師も少なくありません。仕事の性質上、ミスは許されませんし、患者の健康や命が関係するため、時間を問わずに勤務しなければならないこともあります。過酷な勤務で精神的にも身体的にも疲れてしまい、転職を決意する薬剤師もいます。
スキルアップといった前向きな理由の転職も目立ちます。年収アップや待遇改善を理由に転職する薬剤師も多いようです。
転職の成功のためにできること
薬剤師は、転職先がなくて困るということは少ないかもしれません。それでも、転職した後に後悔しないよう、成功に向けた努力が必要です。
転職するにあたって大事になるのが、転職理由や志望動機、希望条件を明確にしておくことです。そして、説明の仕方も考えます。たとえば、相性が悪い人がいた、給料が悪いなどの理由をストレートに伝えると、ネガティブなイメージを持たれてしまいます。転職の動機が後ろ向きであっても、モチベーションを持って仕事ができる職場を希望するなど、未来志向で前向きに志望動機を語ると印象はかなり違ってきます。
希望条件を考える際には、譲れない条件と譲歩できる条件に分けることがおすすめです。完璧な職場を見つけるのは現実的に考えて難しいといえます。絶対条件をクリアし、残りの条件は柔軟に考えると、スムーズに転職できるでしょう。
業界の事情に通じた薬剤師専門の転職エージェントを活用するのもよい方法です。
まとめ
薬剤師は、人間関係や職場環境、スキルアップや年収アップを目指して転職するケースが目立ちます。
転職の成功には、自分を見つめ直すことが大切です。転職理由や志望動機を明確にしておくとよいでしょう。次の転職先に求める希望条件は、絶対に譲れないものと譲歩できるものに分けて考えると、転職をスムーズかつ納得して行なうことができるはずです。
