薬剤師の研修制度

薬剤師

医療の進歩にともない、毎年のように新しい薬が登場しています。薬剤師は薬に関する新しい知識やノウハウの習得に努める必要があり、そのための研修制度も充実しています。

こちらではまず、初めて薬剤師の仕事を行なう人が受けられる研修内容をご紹介します。続いて、継続してスキルアップするための研修制度について記載します。

新人薬剤師に向けて行なわれる研修

薬科大学を卒業し、初めて薬剤師として働く人には、おもに3つの研修が用意されています。

まず一つが、ビジネスマナー研修です。これは新社会人が受ける研修に似ています。薬剤師が社会人として身につけておくべきスキルやマナーを学ぶことができます。ビジネスマナー研修では、身だしなみや言葉遣い、電話対応や名刺交換、患者接遇などについて学びます。

ビジネスマナー研修に加えて行なわれるのが、薬剤師基礎研修です。こちらは一般の新社会人とは異なり、薬剤師業務に特化した研修になります。業務で使用する薬品の知識を学んだり、患者に服薬指導する方法を習得したりします。就業先や担当業務によっても異なりますが、薬品の調合や処方箋監査、在庫管理などを学ぶこともあります。いずれにしても、実務に即した内容です。

これまでに取り上げた基礎的な知識や技術を学ぶ研修に加え、OJTと呼ばれる現場研修が実施されます。教育担当の社員がつく形で現場に入り、仕事をしながら実際の業務を習得するのがOJTです。OJTは、現場の特性や教育担当者の人数などにより、マンツーマンで行なわれることもあれば、新人薬剤師数人をまとめて指導するケースもあります。研修期間は1ヵ月から3ヵ月程度となることが多いようです。

薬剤師のスキルアップに役立つ研修

薬剤師は薬のプロフェッショナルで、患者だけでなく医療関係者からも頼りにされる存在です。その分、責任は重く、日々精進していく必要があります。そのため、薬剤師にはさまざまな研修制度が設けられています。

薬剤師の自己研鑽に役立つ研修を実施している施設の一つが、公益財団法人日本薬剤師研修センターです。こちらのセンターでは、薬剤師の生涯教育を目的とした研修認定薬剤師制度や、漢方や生薬の専門知識を習得できる漢方薬・生薬認定薬剤師制度、小児科領域の薬物療法に参画する能力や適性を培う小児科薬物療法認定薬剤師制度などが設けられています。いずれの制度も、薬剤師が必要な研修を受ける仕組みが確立されています。

また、公益財団法人日本薬剤師会でも研修会を実施しています。例えば、病院診療所薬剤師研修会や製薬薬剤師部会研修会などを通して、各方面で働く薬剤師に資する情報が提供されています。厚生労働省が定めた基準を満たす「健康サポート薬局」に勤務する実務経験5年以上の薬剤師を対象にした「健康サポート薬局研修」もあります。こちらは、業務に必要な技能と知識の両面をサポートする研修内容となっています。

まとめ

薬剤師として働き続けるための研修制度は充実しています。勤務先が用意する研修に加え、自己研鑽に役立つ研修を受けると、医薬品に関する最新情報についていくことができるでしょう。

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